フィラリア症
蚊が媒介する寄生虫で、親虫は心臓の中に寄生します。
フィラリア成虫寄生による目に見える症状が出てくるまでに、5~10年を要し、
症状(咳、すぐ疲れる、腹水、突然死など)が出たときには既に対症療法で症状の軽減しかできません。
しかし、予防をしていただくことで、フィラリア成虫の寄生は免れます。
予防薬の投薬期間
5月はじめ~12月下旬、年8回薬の性質上、蚊がでてから1ヶ月後より飲ませはじめ、
蚊がいなくなって1~2ヶ月までです。通常5月はじめより、1ヶ月に1回、12月下旬まで投薬して下さい。
9月頃に投薬をやめてしまわれたケースで感染しているものがいくつかありますので、ご注意下さい。
地球温暖化のため、投薬期間がのびております。
蚊が3、4月には発生するのに予防が5月でもいい理由・・・フィラリアの感染は蚊が犬の体から血液と一緒に
ミクロフィラリア(幼虫)を吸い込みます。
ミクロフィラリア(1令幼虫)は蚊の体内(マルピギー管)で3令幼虫にまで発育します。
3令幼虫になると蚊の口のところに来て、犬よりの吸血を待ちます。
蚊が吸血するときに、幼虫は皮膚の上に唾液と一緒に蚊の吸血した穴より侵入し寄生します。
ここで蚊の体内にいた幼虫は冬に越冬できません。一番早いもので、サナギで越冬した蚊は次の年の春に
成虫となり、犬よりミクロフィラリアを体内に取り込み、ミクロフィラリアは1令から3令まで成長します。
ミクロフィラリアは気温が15℃を超えないと発育しません。ですから春の日中には成長しますが、
夜は気温が下がり発育は止まります。そのため1令幼虫が3令幼虫に成長するまでには時間がかかります。
4月下旬くらいまでに3令幼虫になり、新たに犬に寄生しても、今使用している薬により体内に入った
ミクロフィラリアは1ヶ月後でも十分駆除できます。
以上の理由により、5月のはじめからの投薬で完全に予防することができます。
ただ恐ろしいのは11、12月です。かなり涼しくなり、蚊も見られなくなります。しかし、暖かい日にはときおり蚊が飛んで来ることがあります。この蚊が持っているミクロフィラリアは、まだ感染力があります。ですから、12月下旬までに最後の駆除をすることが大切です。
このような理由から当院では年8回、5~12月の投薬駆除をお勧めしております。
投薬量
薬は体重によって量が異なります。体重により適切な量の薬を飲ませて下さい。
投薬シーズン前に体重の測定をおすすめします。犬と一緒に体重計に乗り、
自分の体重を差し引けば犬の体重がわかります。
狂犬病予防注射の際に健康診断を兼ね、病院で体重を量って下さい。
投薬のコツ
【粉末タイプ】…小量の食事に混ぜて食べさせて下さい。全部の食事に混ぜて食べ残すと、
規定の投薬量に達しませんので注意して下さい。
注射について当院では注射による予防は行っておりません。まだまだ副作用による死亡例がありますので、
投薬をお勧めしております。
猫のフィラリア症
猫にも犬フィラリアが寄生することがあります。しかし、症例は少数です。
猫は犬に比べて免疫力が高いためです。(犬のリンパ球は23%くらい、猫は33%くらいです)
また、猫は全身をグルーミングするので、フィラリアの幼虫が除去されやすく、
犬に比べると猫の寄生は非常に少ないです。(私は免疫力の違いが一番の理由ではないかと考えております)
当院では特に希望される方以外にはお勧めしておりません。
フィラリアQ&A
室内犬だから予防薬はいらない?
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予防していない室内犬の感染率は低いものの、いつ蚊に刺されているかはわかりません。
また、散歩の時も蚊に刺されるチャンスは数多くあります。
感染してからでは遅いので、予防はしっかりとしましょう。
毛の長い犬はだいじょうぶ?
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関係ないようです。
長毛の犬、毛の密にはえている犬でも、予防をしていないものは感染しています。
蚊よけ電球や蚊取り線香は?
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これらだけではフィラリアの感染は防げません。
なぜならこれらの効果が届く範囲は非常に狭いからです。
どうして蚊が?
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蚊がもともとフィラリアの感染子虫をもっているわけではありません。
フィラリアにかかっている犬の血を吸ったときに蚊の体内にフィラリアの子虫が入るのです。
予防が全ての犬にゆきわたれば、蚊に刺されてもフィラリアの感染はなくなるはずなのですが・・・。
予防注射はあるのですか?
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あります。しかし副作用による死亡例があります。
また、年に2回注射をしなければならず費用がかかります。
なぜフィラリア成虫による症状はすぐでてこないの?
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予防していない仔犬がはじめて越す夏からフィラリアの感染が認められていますが、
目に見える症状が出てくるのに数年かかります。
しかし、体の中ではいろいろな変化が起こっているのです。
フィラリア症の症状は?
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いくつかの例では散歩の途中に急に動かなくなり、数時間後に息を引き取る、
といったものがみられます。これはフィラリアの急性症状で、成虫が心臓の中から
後大静脈に移動し、静脈につまってしまった結果です。また、長年フィラリア成虫が心臓に
寄生しているため、心臓が疲れてくると同時に、肺動脈の硬化・肥厚がおこり肺に血液中の
水分が洩れ出てくるために咳が出たり、おなかに水がたまってきます。